日本のものつくりを支える集団


The Group of The Japanese Craftsmen

2017.8.24

東京は荒川区に在ります、日本で唯一のエボナイト製造所、(株)日興エボナイト製造所様に訪問し、
技の会メンバーで工場見学会、及び親睦会をさせていただきました。

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工場に入ってまず感動するのは、その歴史を感じさせる建物。
かつて(戦前?)は牛舎だったという云われが残る部屋をはじめ、木造感ありありの屋根や壁、はたまた昭和初期を連想させる洒落た丸窓の採光など、私たち先祖代々、ものつくりに関わる家系に生まれ育った者の多い技の会のメンバーにとっては、「そうそう、自分が小さかった頃の、祖父や父親の工場って、こんな感じだった!」と感涙ものの工場でした。

またその積み上げられた歴史は、使われている機械にも現れていて、
エボナイトを押し出して伸ばすローラーや、金型を用いて加熱成型するプレス機などは、こちらの場所に会社として創業した当時のものを、現在でも使用されているとのこと。
もちろん工場のあちこちには、NC(数値制御)によって半自動化された工作機械も設備され、
それら現代の機械と、半世紀以上前の機械とが、どちらも立派に仕事をしている、そんな印象を抱かせる工場でした。

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ところでエボナイトとは、天然のゴム+硫黄、それに粉末状のエボナイトを混ぜて練りこみ、
それを前述のローラーの機械を用いて、まるでそばやうどんを作るように、伸ばしては練りをくり返し、そうしてエボナイトの生地を作り出します。
下の写真にもあるような、カラー化されたものや、木目のような模様の入った万年筆の素材も、この工程での熟練による微妙な配合技術が、これまでに無い、エボナイトのバリエーションを生み出しているそうです。
戦前や戦後しばらくは、その属性(耐水耐油性・低い熱伝導性・型による加工のし易さ・絶縁性)などにより、生活のいたるところにエボナイトが使われていたようですが、
戦後、プラスチック製品の登場と多様化により、徐々にその用途も減少していき、現在ではこちらの日興エボナイト製造所様が、日本で唯一の、エボナイトの素材そのものを作る工場となったそうです。

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今回は工場に隣接して建っている、オリジナル商品のリアル店舗「笑暮屋」さんにも伺い、そんな時代の変化にどう対応していったのか、現社長の遠藤智久社長にお話を伺うことができました。
その中で特に印象に残ったのは、プロジェクトを開始してまだちょうど10年もかかわらず、ここまでの商品郡と店舗を構えるまでに至った、遠藤社長の行動力でした。
10年前の当時、約15名で新たなグループ「あすめし会」をつくり、荒川区の区長を突き動かして、「荒川区MACCプロジェクト」として始動したとのこと。
そのときの日々の会議の思い出と、実践のお話は、同じく中小零細企業の立場でものつくりに関わる人間として、憧れでもあり、大変触発されるものがありました。

今回我々が遠藤社長と知り合うきっかけになった、東京23区全体で行なわれているセミナー「下町サミット」も、このあすめし会が中心となって始まっていった事実を聞くにつけ、「行動する」ことがいかに人と仕事の輪を繋げることが出来るか、考えさせられることの多い訪問となりました。

遠藤社長ならびに、(株)日興エボナイト製造所の皆さま、お仕事中貴重なお時間を割いていただき、どうもありがとうございました。

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